外観の調査から開始。
典型的な甲州民家
切妻屋根の中央に突き上げ屋根がある、当地方典型の屋根の形。
切妻の茅葺きにトタンを被せている。
越屋根、突き上げ屋根、下屋屋根は瓦葺きで、おそらく当初のまま。
屋根近景
茅葺きの上に短尺のトタン(亜鉛鉄板)を葺いて、丸の瓦棒と装飾の横押さえ瓦棒。
棟には置千木と風抜き筒がある。
珍しい屋根仕上げの切り替え
表側(左)はトタンで裏側(右)は瓦葺き。
なぜ仕上げを変えているのか理由は不明。
お金が無かったので片側だけ瓦葺きにしたとか、将来瓦にするつもりだったとか様々な説がある。
庶民の家に瓦が普及する以前のことで、おそらく、茅が腐りやすい裏側だけを瓦葺きにしたのだと思う。屋根下地の作り方を見れば改修の変遷が分かるはず。
裏側は瓦葺き
表側のトタン(当初は茅葺き)が棟を越えている。
手前の瓦屋根は別棟の納屋。
鬼瓦に”水”
棟には火伏せ(火災を防ぐ)にまつわるものを飾ることが多い。