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ミリ単位で柱を仕込む定着の技

古民家は通り芯という概念があって無いようなものです。
場合により、嵩上げ中の空中で採寸しなければならず、大工さんは慎重に作業を進めますが、新設の土台ホゾ穴と柱のホゾが多少はズレることはあります。
更に、既存の柱がねじれていたり、反っているわけですから、余計にホゾとホゾ穴が合いません。
ホゾ穴を大きめにルーズに掘っておけば、なんてことないのですが、普通はそうしません。
そこで、ホゾとホゾ穴がズレた場合は、石原組さんが手動ジャッキをX・Y方向に掛けて、ミリ単位でホゾをホゾ穴に仕込んでいきます。

まぁ、それはそれは、見事な技です。
1~2cmくらいのズレなら、スッスッと入れ込んでいきます。(それ以上ズレている場合は、最後の手段でホゾを多少欠き込むこともあります)
このあたりが、曳家技術の本当の見どころは定着(据え付け)作業と言われる所以です。

そういえば、山田屋商店さんも定着の時に、雨が降っていました。

曳家技術の見どころはここ

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